中世の刀装は数が少なく、研究書もあまりないため、その実態が良く理解されていません。
歴史ドラマで使用される小道具も、リアルに程遠いものがあります。
中世の絵巻や文学には詳しく描写されていて、当時の社会の中でそれらが大きな意味をもち、人々に大事にされていたことが分かります。
現代人が忘れてしまっている日本文化の一つでしょう。
幸い、製作者として、貴重な刀装を調査する機会に恵まれましたが、材質、技法、構造など近世の物とは異なる独特のものがあり、
造形の感覚自体も大きく違っているものでした。
それらをできるだけ忠実に再現するべく努力してきましたが、やればやるほど課題が増えて行くのが現実です。
日本の中世文化のリアルなイメージを持つための試みとして、ご理解いただければ幸いです