銀銅蛭巻太刀 – 第一室刀剣

posted in: 第一室-刀剣 | 0
銀銅蛭巻太刀 作:上野修路
銀銅蛭巻太刀(全体) 作:上野修路
銀銅蛭巻太刀  (部分) 作:上野修路
銀銅蛭巻太刀 (部分) 作:上野修路

 

丹生都比売神社の国宝

銀銅蛭巻太刀の模造

平成25年作

 

実はこれが、私が最初に制作に着手した太刀でした。
30年ほど前に知人について行って、東博で簡単な計測をさせて頂きました。
いきなり国宝に飛びついた訳ですが、どうやって作ればいいのかも分からず、
ただ銅板を金槌でたたくことから始めました。
手を動かして作業をしていると、どうすればいいのか見えてくるのです。
1年半ほどして全金具が彫金まで終了しましたが、
刀身との関係で作業は中断してしまいました。

 

 

銀銅蛭巻太刀  (部分) 作:上野修路
銀銅蛭巻太刀 (部分) 作:上野修路

 

それを再開して完成させたわけです。
30年前の金具ですから、今となっては弟子の作品に手を入れるような感じでした。

 

当時計測値どうりに作っているのに本歌と感じが違う、
しかしどこが原因なのか分からないといった箇所がいくつかありましたが、
それを修正し彫りも全体に手直しして現在の水準で仕上げることができました。

蛭巻は銅の帯金に箔鍍銀をしましたが、
原品の科学分析がされていませんので正確なところは分かりません。
原品同様に現在刀身はありませんが、正確な木型を作っていれてあります。
鞘に蛭巻をしても細い鞘ですから、自ずと刀身の形は決まってきます。
木型どうりに作ってもらえれば、あとから刀身をいれることは出来ます。